悪意

贈られ物のPRINCEライターがさっそくも壊れてしまったので立川のルミネに行く。
修理を依頼して、エスカレーターを下りながら階ごとにどんなオシャレものがあるかとあれこれ見る。めいっぱいクリスマスですな、しかしお金がかかりますな。
そうだ、寮費引き落としに備えて銀行にお金を預け入れようとルミネを出て、左に角を曲がるとホームレスが頬を冷たそうな地べたにつけて寝ていた。その5メートルくらい近くではおばちゃんたちがでかいスピーカーで核廃絶の署名を訴えていた。ぎょぎょ。
もちろん無視したわけだが、無視するも自由である。世の中にさまざま問題はあれど、俺が取り組む範疇ではないので無視するのは自由である。「ちょっとは心を痛めているんだぜ」と得意になるのも自由である。事実、その20分後に俺は駅ホームの立ち食いそばに行き320円で頼んだたぬきそばの熱いおつゆに浮かぶブヨブヨした揚げ玉の群れと格闘する自由を得たのである。
しかしそういう自由とは裏腹にわれわれは悪意を強制されているのである。