若者を見殺しにする国

赤木さんの『若者を見殺しにする国』を読んでます。卒業前にこんな名著に出会ってよかったと思う。いろいろなことを考えさせられる。
前にもちらと紹介したが、内容は絶望的フリーターの赤木さんが、もう戦争というギャンブルにしか希望を見出せないというもの。
赤木さんに対し、日ごろ弱者保護をうたい財界や自民と対決してるサヨクの人たちが反戦平和の一点で批判を浴びせかけるが、しかし、赤木さんの願望というのはまさに、自身を踏み台にする連中だけで楽しんでいる平和そのものを転覆させたいっていうことなのであり、まったく噛み合わない。
まあ何というか、天下国家を公に論じるときというのは普通自分のプライベートな利益を持ち出すのはタブーなもんで(だから評論家はだいたい生活の守られた安全圏にいる)、それを赤木さんが破ってしまってアタフタの状況ということでしょうか。
そりゃそうだ誰だって社会的に追い込まれたら戦争になれとでも言うさ。
ただ赤木さんのプロフィールというのが現代日本の問題関心の焦点にたまたま当たっていたからこれだけ、リアルな議論として受け止められるんでしょうね。