ロジカルシンキング

とある某イチタカから借りた「ロジカルシンキング」の本を、毎晩寝る前に興味深く読んでいる。
途中まで読んだまとめ的には、必要な情報を漏れなく整理して押さえた上で、その情報からSo what?として導き出せる結論を出し、その結論に沿って行動しなさい、ということだ。
まぁ至極まっとうで、人が論理的に判断しようとしたらそうするしかないわけで、そういう習慣がないひとには有益な話だけど、たぶんこの本を読んでいざ仕事で実践しよう!となってもなかなか難しいんだろうなぁと思うよ。
だいたい、「漏れなく」情報を押さえてきたら、たいがい何の結論も見出せなくなるでしょ。
それから、情報から結論を導く行為の底流に、もうその人が「当たり前」と思って見過ごしている、非論理的判断、価値判断が潜んでいるもんね。まあ、カイシャだったら、金儲けとかが一番っていう非論理的判断が染み付いているから、そこで悩むことはないんだけど。


戦前日本の東条くんだって、アメリカ人からしたらあいつらロジカルがなってないって思うだろうけど、東条くんたちはロジカルにシンキングして、情報を一応整理したうえで「お国のため」っていう非論理的判断で結論を導いて、戦争したんだからね。
アメリカ人も「ソ連がでしゃばるぞ」「戦争を早く終わらせよう」「原爆できたらしい」「京都はやめておこう」…とかいろんな情報をもとに広島に原爆落とした、確かにロジカルだけど、情報にはどうしても見落としがあるし、情報から結論にいくためには何がしかの非論理的判断(アメリカは勝たねばならない)が必要だ、よ、ね?


最近は郵政民営化サンセイ、ロジカルで何でも決まる、非論理的判断なんてものは存在しちゃいけない、みたいな感じでみんな思考してる気がするけど、それって危ういなぁと思う。非論理的な価値判断はみんなが表層に目を奪われてる間もずうっと生き残って、ロジカルシンキングを操っているからね。