氷くん

高校のとき化学で聞いた話だけど、氷くんってのは絶えず近くをフワフワしてる水蒸気くんたちを氷にして身にまとい、逆に氷くんの一部は融けて水になりやがて水蒸気くんになるんだってね。
僕だってそうで、絶えず新陳代謝で新しく生まれ変わって、もっと物質レベルでいえばほんとうにテンポラリーなまとまりに過ぎない。って怪しい宗教家みたいだね。
そんな時々刻々の出会いと別れを繰り返し続けるちっちゃいみんながたまたま同じ枠を仮住まいにしているいまこの現在、その枠である僕はこうやって寝れないとか文句たれながらチカチカするカーソルを追って文字を打っている。何気に後ろではいわちゃんが寝てる。
何年かすれば、僕の中にいたみんなはどっかへ行ってしまい、組成的にはほぼまったく違う僕が僕を名乗ってまた適当な人生を送っていることでしょう。何かほほえましい。