洗濯

世間は天皇聖誕祭で奉祝ムードに浮かれる寒い昼下がり、自宅近くのコインランドリー。
上司に口うるさく注意されるワイシャツ裾の汚れをゴシゴシ洗っていたところへババァがガラガラと戸を開け入ってくる。ババァは携帯でもう一人ババァを呼ぶ「コインランドリーにいるから」。
洗濯機のモーター音と、ワイシャツゴシゴシ男と、椅子に座るババァ。見ると乾燥機が回っている。気まずい沈黙が10秒ほどして
ババァ:お兄ちゃんいくつ?
俺:あ…24です。
ババァ:自炊してるの?
俺:あ、えぇ、まぁ。(←嘘)
ババァ:すごいわねーやっぱり一人で出さなきゃだめだわウチの息子なんかまだウチにいてきょうのおかずは何だばっかり気にしてて、情けないわよねぇ…
(以下、22歳専門学校生の息子への愚痴と俺への的外れな賞賛)
ババァに呼ばれたババァが入ってくる。ガラガラ。
先のババァ:ねぇ聞いてよこのお兄ちゃんに聞いたらね埼玉の北のほう(←これもやや嘘)の出で一人でしっかりやってこうやって洗濯もやってね、ウチのとは大違いで…
聞き入りはぁなるほどと同調する追加ババァ。
何故かひどくコテンパンにやられたような心境でファミリーマートカップラーメンを買いに行きました。